LGBTとALLYのためのHappy Ending CAFE 第1回『医療編』
【講師】吉田絵理子(総合内科専門医、プライマリケア認定医)
【テーマ】医療
長年一緒に暮らしてきたパートナーが突然倒れ、集中治療室に入院することになった。パートナーの病状は重く、話ができない状態だった。病状説明を医師に求めたところ、家族以外には個人情報は明かせないとのことで断られ、どれだけ頼んでも面会もさせてもらえなかった。パートナーは家族にカミングアウトしていないので、家族にお願いすることもできない。 絶望を感じながら、二人で暮らす家へと帰った。私達、これからどうなるんだろう。
これは作り話ではなく、今の日本において法で関係性が守られていないLGBTの方々が備えをしていなかった場合、残念ながら起こりうる現実です。どうしてこんなことになってしまうのか、医師として実際の医療現場についてお伝えします。
また終末期には、どんな選択に迫られるのか様々なケースをご紹介します。終末期のことを考えるのは気が滅入るかもしれません。しかし備えをしておくことは、自分の権利を守ることであり、大切なものを見直す一つのきっかけになり得ます。本セミナーでは、終末期はどのように訪れ、どのような選択肢があるのか、皆さんと一緒に前向きに考えていきたいと思っています。
【内容】
・終末期とはどのような状態か
・終末期にはどのような選択が必要になるのか
・LGBTのパートナーシップは医療現場で尊重してもらえるのか
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【レポート】先ずは「Happy Endingカード」という49枚のカードを使って (老後)具体的にどんなリスクがあるか、備えができている事・できてない事、取り組むべき課題がわかるというカードゲームからスタート。 私は意外にリスクがない(リスクと感じていない?)ことが判明。
ライフエンディングに向かうライフプランについて自分がどれくらい考えているか、備えられているか等、カードを通して各自頭の中で整理、考えさせられたところで『医療』についての講義がはじまった。
終末期とはどういう状態なのか〜亡くなるまでの経過〜死亡場所〜判断を求められる事〜自分が受ける医療行為について、自身が決める事ができなくなってしまった(昏睡、認知症等)意思決定低下時に備えて希望を表明しておくこと、その方法として、医療代理人〜緊急時連絡先カード等の話があった。
どのような対策をとっていれば医療の現場はどこまでどう対応できるのか…病院の立場からの話を聞くことができた。終末期というと、老後の問題と捉えがちだが、事故、病気等で突然意思決定ができなくなる状態は、年齢とは関係なく誰にでも起こりうることだと考えさせられた。
講義後の懇親会。東大前のメキシカンCevicheさんのケータリング。美味しいお料理をいただきながら、講義中に浮かんだ疑問、以前から気になっていたけど日常生活で通う病院では聞きづらいこと等を聞けた。お酒が進みいい感じになった中、様々なバックグラウンドの参加者と親睦を図ることができて楽しかった。