LGBTとALLYのためのHappy Life Cafe Vol.2 「カミングアウトについて話そう! する?される?しない?何が問題?」

 

 

 

【ゲスト】あかたちかこ

【テーマ】カミングアウト

【内容】「LGBT」という言葉はそれなりに知られるようになりましたが、その周辺の悩み事が劇的に減ったわけでもありません。カミングアウト問題もそのひとつで、したいけどどうすればいいかわからない、するかしないか迷っている、されたけどどうしていいかわからない、しないことにしたけどこれでいいのかな?など、悩みは尽きません。カミングアウトとその周辺のことが難しい社会的歴史的な理由から、「みんな一体どうしてるの?」まで、みんなでわいわい話しませんか。(もちろん聞いてるだけの参加も歓迎!)

 

【講師プロフィール】あかたちかこ(大阪市立阿武山学園専門講師、大阪人間科学大学・京都精華大学非常勤講師。立命館大学大学院修士課程修了(応用人間科学)。大学在学中に同年代へのエイズ予防啓発を始める。講演活動と並行して、若者やセクシュアルマイノリティ対象の相談業務に従事する中で、性感染症予防や妊娠防止だけに留まらない包括的性教育や、コミュニケーション教育へと専門を広げた。現在は、大阪市の派遣カウンセラーとしてエイズの現場に関わりながら、児童自立支援施設・特別支援学校・一般の中学校高校での性教育を展開しつつ、大学ではそれらの現場で得たものや考えたことを、対人援助職を志す若者たちに伝えている。共著書に『たたかうLGBT&アート』『セックスワーク・スタディーズ』。Woman’s Diary元編集長。京都精華大学が企画する文化庁 大学における文化芸術推進事業「芸術実践と人権」ではモデレーター(一緒に考える人)として、ゼミを担当している。

 

 

 

 

【レポート】関西で活躍してるあかたさんをわざわざ呼んで。というか、この講義のためにわざわざ来てくれたというべきか。
そもそも、どうしてカミングアウトできないのだろう…と、ふと考えることがある。急速に“LGBT”という言葉が浸透して、カミングアウトしてる人も増えてきた印象があるけど、周りを見渡すと親や職場にカミングアウトしてる人はまだまだ少ない。年齢が高くなるほど、多くの嘘を重ねてきたので、今更言いづらくなるとか、世代が上だと親や周りもそれなりの年齢の人だろうから理解を得られにくいと感じているとか…それぞれに色々な理由があると思うけど、カミングアウトを阻んでいるものはなんぞや?、自分の中の何かなのか、周りの問題なのか、いずれにしても、カミングアウト問題は大きなイシューである。そのカミングアウトについて取り上げられた。講師は、いつも関西で面白そうな講義をしている”あかたちかこ”さん。東京ではなかなか味わうことのできないであろうちょっと面白い時間に期待が膨らんだ。

 

 

LGBTとALLYのためのHappyシリーズ、過去15回、講師によっていろんな勉強スタイルで開催されてきたけど、今回はこれまでとかなり違った京都スタイル(?)。配布資料もパワポも無くいきなり喋りから入る。講師が答えを教えてくれるのではなく「そもそも」「なんで?」を、それぞれが考えてみようという。資料があると読むほうに意識がいってしまい、講師の話に集中できなかったり、なんでだろう?と考えたりする余裕がないまま進んでしまうこともあるけども、今回は、考えることに集中できた。

 

多様な参加者が集まったおかげで、特性やバックグラウンドの違いからくるそれぞれが感じるカミングアウト(の難しさ)についてシェアされた。カミングアウトがしづらい理由としてあがった「隠して生きてくためにこれまで沢山の嘘をついてきたから、今更うそだったといいにくい」というのに対して「嘘をついてしまったのではなく、嘘をつかされてきたのでは?」と、いう考えの展開/転換や、「カミングアウトは、告白ではなく宣言!」という言葉を聞いて、自分の気持ちや行動は知らず知らずのうちに自動思考化されていたのかも?と気づきがあった。

これまで第一線で活躍する専門家ならびに当事者が講師をつとめる講義を重ねてきたが、プロ教師は意外にもシリーズ初であった。セミナーや勉強会の参加者としてというよりも、なんとなく学生になった気分で参加できたのも楽しかった。

 

懇親会に残ったメンバーがまた、個性豊かで面白くて、講義~懇親会まで沢山考えて、笑って、しゃべって、とても充実した良い時間だった。いやぁ、全体的におもしろかった。普段あかた先生に教わってる学生たちがうらやましい。<K>

 

 

話が盛り上がり、かなり時間が押してしまったけど、講義終了後も、参加者たちが講師のところへいきその話題について話込んでいたのが印象に残った。