LGBTとALLYのためのHappy Ending CAFE第6回『埋葬編』

【テーマ】埋葬

【講師】布施美佳子(「GRAVE TOKYO」クリエイティブプロデューサー)

村田ますみ(ブルーオーシャンカフェオーナー、散骨コーディネーター)

 

【内容】人生を終えた人が残すものは思い出とお骨です。思い出は心の中に置いておけるけれど、お骨はどうしますか? 日本ではお墓の文化が定着していますが、近年では散骨や樹木葬など故人の意思を尊重する方法も提案されています。家族のお墓の管理もLGBTにとっては大切な課題。そんな課題の解決方法を学ぶと同時に、オリジナル骨壷のブランド立ち上げの経緯から、変わる葬送の未来とLGBTのお骨の行方について考えます。

 

【レポート】

お洒落なオリジナル骨壷をプロデュースされている布施美佳子さん(「GRAVE TOKYO」クリエイティブディレクター)と、本イベントの主催者である村田ますみさん(ブルーオーシャンカフェオーナー、散骨コーディネーター)のお二人による、埋葬に関する話。

日本の“伝統的な“葬送(ごく一般に知られている従来の埋葬。多くは先祖代々のお墓に納骨)は、急激に家族のあり方が変化している今、どうなっているのだろうか。比較的新しいスタイルの供養方法かにはどんなのがあるのか、どんなことができるのか、法的にはどうなのか。

お墓に入りたくない、入るお墓がない、お墓の継承者がいない等、多様なニーズがあり、(従来の墓地スタイルではない)永代供養、散骨や樹木葬などの自然葬、手元に遺骨(骨壷)を置いておく手元供養等、多種多様なスタイルの供養も一般的になってきた。

布施さんは、故人のキャラクターと関係なく昔ながらの画一的なスタイルのお葬式で送られる「◯◯(故人)らしくない葬儀」に違和感を感じたり、「いつか必ず訪れる自分の死に対してきちんと準備しておきたい」という思いから「30歳を過ぎたら自分の最期は自分で準備する」をコンセプトに、オリジナルフューネラルグッズブランドを立ち上げた。

オリジナル骨壷に対する想いを語る彼女は、L業界なら知っている人も多いであろう女性用ブリーフ“ガールズブリーフ「mi・ke・ra」”を企画して年間10万枚(×8年間)を売り上げたヒットメーカー。その背景も発想も興味深くて“埋葬”から離れた話も面白かった。

 

埋葬…遠い話のように見えて、実はそうでもない。うちの場合、親が亡くなって“お墓”に入ったとすると、私の代に子どもがいないため、私の後はお墓を承継する人がいない。近い将来、親の希望を聞いておいた方が良いかもしれない。独身だったり子どもがいなかったり、親族が居なかったり、居てもお世話になりたくなかったりする人は、どうなるのだろう…何か自分で準備しておくことや選択肢ってあるのだろうか…など考えなければならない課題は少なくなくて、決して遠い話ではない。普段の生活の中で、積極的に調べたり、わざわざどこかを訪ねたりする機会もなかなか無く、あまり考えてこなかったが、具体的に考えるきっかけとなった。

LGBTとALLYのためのHappy Ending CAFE全6回が終了した。スタート前は、興味があるテーマ2つくらいに参加しようかな…という程度のテンションだったが、各回の講義がとても勉強になり、多様なセクシャリティ、様々なバックグラウンドとプロフェッションを持った参加者との交流が面白く、結局全6回とも参加していた。普段、接することが少ない業種の方々と、共通のテーマについて語らうことができてどの回もとても有意義な時間であった。