LGBTとALLYのためのHappy Ending Cafeに参加して

2017年に始まった”LGBTとALLYのためのHappy ending cafe”、第1弾(2017年9月~2018年2月/6回)、第2弾(2018年7月~2019年1月/6回)の全12回が終わって振り返る。すべての回に出席した稀有な参加者として、LGBTのクローゼットLとして。

 

先ずどうして全回出席することになったのか。第1弾が始まる前は、気になるテーマ(もしくは面白そうな講師)の回だけ2、3回?参加しようと考えていた。しかし、様子見がてら参加した最初の「医療」の回で「え、医師ってこんなにアツいの?」講師の人間味と、講義の濃さに引き込まれてしまった。その後、結果的に全ての回に参加することになったのは、どの講義も講師が魅力的で講義内容がとても良かったからだ。この企画のために、各講師が作ったプログラムは2時間で収まめたことに脱帽の情報量でありながらもワンウェイでなく参加型のアクティブラーニングスタイルで2時間飽きさせずあっという間に感じるほど質が高かった。そして、シリーズを通して、LGBTとALLYという参加者に対する配慮が非常に行き届いていた。

 

初めてこの企画の話を聞いた時は、LBGT当事者だけでなくALLYも対象なのか……と思った。LGBTQの中でも、セクシャリティーをオープンにしていない”クローゼット”と呼ばれる人たちの中には、当事者以外が参加する会に当事者として参加することを躊躇する人もいる。クローゼットでも参加意欲の方が勝った場合は、当事者であることを隠して参加するケースもあるが、いずれにせよハードルを感じる人もいるのではないかと少し心配になったことを思い出す。しかし、第1回に参加してその心配は無用であったことに気づく。

当事者向けの勉強会なら、当事者が集まって企画すればよい。ALLYのブルーオーシャンカフェが主催する意義は「LGBTとALLYのため」にあったのだ。

 

沢山の出会いがあった。講師陣はもちろんのこと、LGBT当事者だけでなく、各分野で充分なキャリアを持った専門家でありながらLGBTについて勉強したいと参加された方々。皆さんと日常生活ではあまり話すことのないテーマについての話ができて多くの学びがあったし、様々なプロフェッション、セクシャリティー、国籍、年齢、バックグランド…こういう機会がないと出会えなかったであろう多様な属性の人々が一堂に会し、美味しい料理とお酒で親睦を深めることができてとても面白かった。

LGBTに関することは殆ど知らなかったという方々が、熱心に耳を傾け、理解したいと様々な質問をし、今後自分に何ができるだろうかと考えていたのが印象深かった。ALLYとしてパレードに参加する!と言ってくださった方も少なくなかった。

本当に草の根ではあるが、机上やネット上の話ではなく、膝を突き合わせてじっくり語らうことによって、ひとり、ふたり、じわっじわっと理解が広まっていくのを感じた。

 

全12回各回の講義終了後に、同性婚に関する説明や 署名の呼びかけに時間をいただいた。多くの方が快く署名してくださり、米国の同性婚実現の立役者Evan Wolfson弁護士の「否定や反対する人たちよりに時間を割くことよりも、ポジティブなビジョンを持ち、働きかけやすいところ、賛同を得やすいところから”より良い社会を作るため”のエネルギーを注いでください」という言葉を思い出した。

 

”LGBTとALLYのための”でなかったとしたら、ここまでの充足感が得られただろうか。

(投稿者:カナ)

 

”LGBTとALLYのためのHappy ending cafe”のチラシに下記の記載がありました。

同性婚人権救済申立てについて:http://douseikon.net